開業医インタビュー
よし内科クリニック
山田 義明先生
内科
気軽に来院できる「町の健康相談所」でありたい
2022年6月に開院した「よし内科クリニック」。広々とした「ちしまメディカルパーク」内にあるクリニックは、土・日曜も診療しており通いやすいと評判です。「患者さんが治っていく過程を見ると、本当によかったなぁと心から思います」と語るよし先生に、診療に対する思いや地域医療のこれからについて伺いました。
「いつでも気軽に来られるクリニック」になりたい
―よし先生と「よし内科クリニック」について教えてください
クリニックのある大正区の隣、西成区で育ちました。実家が自営業だったこともあり、人と話すことが好きなのです。「こんなことでかかっていいのかな」と思わず、少しでも違和感や相談があれば気軽にお越しください。
外科と内科、両方の経験を持っているのが私の強みです。「症状がこの程度なら内科治療で大丈夫。けれどもこれ以上進んでしまうと手術が必要ですよ」「外科の手術にはこういう方法がありますよ」と診療方針を早いうちに提案できます。また、必要な治療の開始が遅れないように近隣の総合病院に早めにご紹介して、できるだけ「様子を見ましょう」と保留せずに早めの判断を心がけています。
―患者さん側も早めの受診が大切とは思いますが、例えば健康診断で「要精密検査」が出ても、忙しくて病院に行けない人がいるそうです
土日も診療をしていますから、健康診断の結果を持ってご都合のよいときにお越しください。定期的な健康診断は体の状況を把握するのにとても有効です。そして要精密検査という結果が出たら、特に症状がなくても早めにクリニックを受診してほしいなと思います。初期の間に治療を開始すれば、健康寿命を延ばせますから。
―週末も診療されているのですか!
多くの病院で土曜日と日曜日は午前のみ、あるいは休診が一般的です。けれども私は、医療サービスは電気や水道と同じだと思っています。開院前から自分のクリニックは週末も診療すると決めていました。
―クリニックは事務長と二人三脚で運営されていますね
患者さんとご家族が安心できるように、治療や支援の方向性をできるだけ早く提案したいと考えています。私の診療方針を理解している事務長と話すことで、より良い解決策が出て、速やかに対応可能です。 近隣の総合病院と連携体制も作っています。クリニックから総合病院への紹介だけでなく、総合病院を退院した後にかかりつけ医としてフォローいたします。
ブラックジャックに憧れて外科医の道へ
心臓外科医としてキャリアを積んだ若手時代
―先生が医師を目指されたきっかけは?
中学校の頃に読んだブラックジャックです。彼に憧れて、外科医の道を志しました。医学部卒業後に外科医としてスキルを磨いていると「国立循環器病センターが研修医を募集してるぞ、とても面白いからやまちゃんも来いよ!」と、1年先に循環器病センターで勤務していた大学時代の友人 が声をかけてくれました。循環器病センターといえば、循環器の最高峰を誇る病院です。高い倍率でしたが3年契約を結ぶことができ、心臓外科の道が開けたのです。
―循環器病センターではどのようなことを学ばれましたか?
循環器病センターは手技の正確性、スピード、手術の件数、成績、どれもが圧倒的でした。全国から循環器疾患をお持ちの患者さんが来られるので、一般病院では出会うことのない希少疾患も学べました。
1990年後半、国内で心臓移植手術がちょうど始まった頃です。幸運にも国内2例目となる心臓移植チームに参加し、ドナー(臓器提供者)から心臓を摘出する経験を得ました。ドナーへの深い感謝、失敗が許されない責任感、医療の大きな進歩に立ち会える喜び。さまざまな感情で胸がいっぱいになったことを覚えています。このように、循環器病センターで過ごした3年間は非常に刺激的でした。
その後大学病院に戻ると 、今度は海外留学のチャンスが舞い込みました。教授と縁のあるオーストラリアの病院がスタッフを募集しているというのです。いつかは海外留学を、と考えていた私は喜んで手を挙げました。
大きな病気を経験して
オーストラリアで経験を積んでいた2006年に突然、脳梗塞を発症しました。自覚症状のない健康な30代での発症は非常に珍しい症例です。幸い日本人の知り合いと食事をしていたときだったので、速やかに救急車を呼んでもらえ、投薬治療とリハビリの後に日本へ帰国できました。ただ、半身麻痺(まひ)が残り手術はできなくなってしまいました。
―それは……お辛かったことと思います
今では穏やかに過ごしていますが、当時は精神的にしんどいときもありました。帰国後しばらくは手術以外の外科業務を担当していました。しかし半年ほど経つと、「このままでは不完全燃焼の人生になる」と手術ができない状況に物足りなさを感じ始めます。周囲にも相談しながら外科医から内科医へ思い切って転身する決意をしました。あのまま外科を続けていたら、きっと行き詰まっていたでしょう。我ながらよい選択だったと思います。
理想のクリニック誕生に向けて
理想の医療を提供するために開業を決意
―外科から内科へ専門を変更されて、どのような変化がありましたか?
内科では高血圧や糖尿病、いわゆる生活習慣病を多く見る機会が増え、自然と高齢者医療へ重点を移します。その中で「もっとこうすれば上手くいくだろうな」という改善点が日々の診療で見え始め、自分が考えるベストな医療を患者さんに提供したいなという気持ちが湧いてきました。
しかし、勤務医は勤務している病院の診療方針に従わなければなりません。「理想の医療を自由に提供するには自分のクリニックを持つしかない」と、2015年ごろから開業への準備を少しずつ始めます。休日を利用してウェブサイトやセミナーから情報収集を開始しました。診療を優先していたため時間はかかりましたが、「理想の医療」をより具体的に考えられました。
―開業に当たり、コンサルタントサービスは検討されましたか?
いくつかのコンサルティング企業と面談をしました。驚いたことにお金の話しかしない会社もありました。開業は私にとって「自分の思う理想の診療をする」ためです。わずかでも違和感を抱いたパートナーと開業はしないと自分の中でルールを決めて、パートナー探しを継続しました。
開業を決意してから既に5年以上が経過していたある日、理想のクリニックについて話を聞いてくれたのがI&Hさんでした。こちらのリクエストをほぼ100パーセント叶えていただき「理想のクリニック」であるよし内科クリニックが誕生しました。
クリニックのこだわりポイントと目指している診療
―どのようなリクエストをされたのですか?
市中の小さなクリニックでありながら、できる限り検査内容を充実させたかったのです。I&Hさんは最適な検査機器を選定してくれましたし、難しい場合は代替案を提示してくれました。おかげでクリニックとしてはかなり手厚い検査体制が整いました。
もう一つのこだわりは「通勤しやすいこと」。私は半身麻痺があるため、雨の日に傘を差すのが難しいのです。「駐車場から雨に濡れずに来られるクリニック」という個人的なリクエストにも応えていただきました。紹介していただいたテナントは、高齢者も多く住むUR団地の1階をリニューアルしたメディカルパークです。高齢者医療を地域で支えたいと考えていた私にとってピッタリの立地でした。
―診察室、検査室、相談室と部屋も多く、待合もゆったりとしていますね
広めのテナントはコロナ禍での発熱外来体制を整えるのに役立ちました。当時は感染が疑われる患者さん用に別の入り口を作り、ウイルスが外部に出ない陰圧室(気圧を低くした部屋)で診察していました。
―開業後の働き方は変わりましたか?
病院に雇われている勤務医と、クリニックを運営する開業医とでは責任を負うべき幅が大きく異なります。勤務医は自分の診療だけがんばればよかったのに対し、開業医はスタッフの雇用や給与、患者さんからのお声にも気を配らなければなりません。プレッシャーも大きいですが、全ては自分が理想とするクリニック運営に必要なことです。毎日がとても充実しています。
高齢者医療を支えるクリニックとして
―禁煙外来や生活習慣病など、専門外来にも意欲的に取り組んでいらっしゃいますね
健康のことを考えると、禁煙はやはり重要です。私自身も脳梗塞を発症したときに禁煙しました。ヘビースモーカーで、常にタバコを吸える場所とタイミングを探していました。リラックスするために吸っていたタバコですが、禁煙してみると「いつ吸えるか」というストレスを生みだしていたのもタバコだったと気づいたのです。今は喫煙者に対する目も厳しくなっていますし、さらにストレスが増していることでしょう。
禁煙後は、呼吸面など身体はもちろん、精神的にもすごく楽になりました。元ヘビースモーカーがすすめる禁煙外来なら、患者さんも治療を受けてくれるかなと思っています。タバコを吸いたい気持ちも深く理解できますし(笑)。だから「怒られるかな」などと心配せずに来てほしいです。
―「怒られない禁煙外来」なら安心ですね
そして高齢者が健康を損ねる大きな原因である生活習慣病は、進行するまでほとんど症状がありません。じわじわと進行して、気づいた頃には健康な体に戻れなくなっている病気です。健康診断で要検査となり、受診したのに「症状がないなら薬を飲まなくてもいいだろう」と、せっかく処方した薬を全く飲まれないケースも少なくありません。ですから私は生活習慣病という病気の特徴と、今から薬を飲む必要性をていねいに説明して、患者さん自身が「治療をするんだ」と前向きに取り組んでいただけるように心がけています。特に高齢者にはゆっくりと分かりやすい言葉で伝えます。
―最後に、クリニックの目指す未来と患者さんへのメッセージをお願いします
日々の診療で患者さんが治っていく姿を見ると、本当によかったなぁと心から思います。「ちょっと気になるな」という程度でも大丈夫ですから気軽にお越しください。地域の皆さまの健康を見守る「町の健康相談所」として、頼りにしていただけると嬉しいです。「健康よし・気分よし・すべてよし」の精神で、スタッフ一同お待ちしています。
クリニック情報
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- 内科
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- 〒551-0003
大阪府大阪市大正区千島2丁目4-4 パルティちしま1階 ※UR千島団地4号棟1階
- tel
- 06-6556-6631
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- ホームページはこちら
サポート担当者より一言
当社「阪神調剤薬局ちしまメディカルパーク店」医療フロア内のテナントをご紹介させていただきました。
物腰柔らかく、親しみやすいお人柄で患者さんのために、を第一にお考えの先生です。
事務長である奥様と二人三脚、優秀なスタッフさんにも支えられアットホームな雰囲気のクリニックです。
検査機器等設備も当社グループの医療機器卸とこだわって選定された充実設備のクリニックです。
開業コンサルタント
清水 祐哉